『本当に○○な人は××しない』という構文、よく見かけますよね。
特にTwitterでよく見ます。
（Twitterで「本当に 中途半端に」と検索しただけでさっそくワラワラ出てきて、ここまですぐ見つかるとは思っていなかったからさすがに草）
けど、個人的にこれはかなり微妙な構文だと思ってて
めっちゃしょうもないと思うので
どうしょうもないのかというのを今回は書いていこうと思います。
特に大事になってくるポイントは、
✅◯◯と××の中に何を当てはめても実は大体それっぽくなるということ、
これ何か言ってるようで実は何も言ってないってことと
✅大体これって自分の願望を言ってるだけのパターンがほとんど
ということです。
そのあたり書いていこうかなと思います。
◯◯と××の中に何を入れても大体当てはまる
「本当に◯◯な人は××。中途半端な◯◯がいちばん△△する。」
これ、めっちゃ的確に言ってるように見えるし
「ものすごい真実を見つけてしまった！！！」と感じられると思うのですが、
実は何を当てはめてもほぼそれっぽくなるし、
なんなら真逆の内容を当てはめてもだいたいそれっぽくなってしまう構文なのです。
この構文でいろいろな意見を見かけますよね。
- 本当に実力ある人はいちいち自慢しないで謙虚。逆に中途半端な実力の人が一番イキってる。
- 本当に金持ちの人は都心部に住まない。少し離れた高級住宅街の戸建てに住む。
- 本当に金持ちの人は全身ハイブランドで固めない。ユニクロでシンプルだったりする。逆に中途半端な人が一番ハイブラで固めたがるイメージ。
- 本当にモテる人はいちいち女関係をアピールしない。
- 本物の一流は礼儀正しいし物腰もおだやか。逆に中途半端な小物が一番態度悪い。
- 本当の陽キャは陰キャにも優しい。中途半端な陽キャデビューが一番陰キャにいじわる
とかとかとかいろいろありますけど
冷静に考えてみると、正直◯◯と××の中に何を入れてもだいたいそれっぽくなるんですよね。
なんなら真逆の内容に入れ替えたとしてもそれっぽくなることがほとんどです。
あとくくりが雑すぎて
「ほんまかいな」「ぶっちゃけこれ場合によるだろ」
としか思えないものが多すぎます。
もちろん世の中の物事に傾向というのは存在しますけど
それにしても、「本当に◯◯な人は××しない」
とかいうのは主語が大きすぎるし、
ちょっと考えてみるだけでも「例外めっちゃいるし場合によるくね？」
と感じるような内容のことばかりだと思うんですよね。
大体の場合はもはや傾向とすら言えない内容のものばかりだということです。
これは
「何か言っているように見えて、内容が雑すぎ&薄すぎて実は何も言ってないのとほぼ同じ構文」
ということです。
実はただ自分の願望を言ってるだけ
そしてもう一つ大事なポイントがあって
この構文使う場合、大体
「自分の願望をただ言ってるだけ」ということです。
決して世の中の真実とかではなくて
ただ自分が「こうあってほしいな。」という超個人的な意見。
ならそれはそれで「自分はこういうのが好き」と言えばいいのに
堂々と断言するのも反論とかが怖くて嫌だから
あたかも「私個人の意見じゃなくて、世の中の真理ですよ～」感を演出するたちの悪い構文なのです。
※補足
書いてて思ったのですがこの願望を言うときはだいたい3パターンに分かれると思っています。
- その願望が自分にわかりやすくメリットになる場合
- 持ち上げる対象が自分の属する集団と一致する場合
- 悔しく感じられて倒したい目先の相手がいるときに、もっと距離遠くて悔しくも感じない相手を引き合いに出しいて目先の相手を倒したい場合
①その願望が自分にわかりやすくメリットになる場合
たとえば「本当にモテる人はスマートにカードで会計してなにも言わずさらっと奢ってくれるイメージ」とか。
②持ち上げる対象が自分の属する集団と一致する場合
たとえば「中途半端な学力層が一番陰キャ。突き抜けて頭良くなると見た目も運動神経も教養も全部そろってる」とか。
③悔しく感じられて倒したい目先の相手がいるときに、もっと距離遠くて悔しくも感じない相手を引き合いに出しいて目先の相手を倒したい
フリーターが湾岸パワーカップルに嫉妬していてパワーカップルを褒めると悔しくて心理的ダメージがあるが、
デヴィ夫人みたいな人になると距離が遠すぎてもはやリアリティがなくデヴィ夫人を褒めても嫉妬もしない（心理的ダメージを受けない・心理的コストがゼロ）
そして湾岸パワーカップルをどうにか足をひっぱってやりたい！
と思っているシチュエーションを考える。
自分が「湾岸のタワマンなんて住む意味ないぜ！」と言っても湾岸パワーカップルに負けていて説得力がなく、「ぐぬぬ」状態になってしまうので
ここでデヴィ夫人とかなんか「本当の金持ち」とやらを登場させる。
そして「本当の金持ちは湾岸タワマンに住まないぜ！」と
本当の金持ちに自分の意見を勝手に代弁させて
「俺の勝ちだ！」として気持ちを落ち着かせるパターン。
これだ。このパターンめっちゃよく見かけますね。
書いてて思ったけどこういう人性格悪すぎん…？
自分でどうにかするんじゃなくて誰かを勝手に引き合いに出すあたりがしょーもないポイント高い。
場合によってはそもそも存在しない架空の人物像の場合すらあるし。
いや、どないこっちゃねん笑
頭を使わなくてもお手軽に人間のインテリ欲求を満たしてくれる
人々がこの構文をやたら使いたがる理由なのですけど
一つ
「お手軽に人間のインテリ欲求を満たしてくれるから」
というのがあると自分は考えています。
大なり小なり、人間はインテリなことができたときに
「うわーたのし～」「俺ってかっこいい…」「きもちーー」
と感じる生き物になっています。
それは人類の長い歴史の中で
こういうインテリ活動するのがきもちいいーーと思える
頭の良い個体が生き残ってきたからです。
人間の強みは他の動物と比べて
トラのような大きな爪でもなければ、チーターのように100キロで走れる足でもなければ
ゴリラのように500キロある握力でもありません。
他の動物にはない頭の良さで繁栄してきました。
この頭の良さという強みを活かせる
「なんか頭良さそうなことすると楽しい～」と感じるような個体が生き残ってきたので、
人間にはインテリ活動するとポジティブな気持ちになれる本能が備わっています。
これは別に「学校の勉強は嫌いだったよ～」という人でも当てはまります。
実際、学校の勉強とか全然嫌いで楽しくなかった人だとしても
漢字だらけの専門用語を使いこなすことができると
「すごい。俺ってかっこいいかも…」
って、ちょっと楽しかったり嬉しかったり、恍惚感を覚えるような気持ちになりますよね。
人が小難しい法律用語を使うときって
「そんなこと言ってると刑法第◯条私人脅迫罪に当てはまるので訴訟しますよ。これには民事の処罰が適用されるので震えて待っててください。」
みたいな感じでやけに興奮気味だったりドヤ顔だったり嬉しそうだったりするのも
このインテリ欲求が刺激されているからだと自分は考えています。
と、いうように人間には
「インテリ気取りしたい！」
という欲求が根本的に備わっていて
「本当に◯◯な人は××しない」
というのは大して頭使わなくてもインテリ感を醸し出せる
お手軽ツールなんですよね。
さっきも書いたように、何か言っているようで実際は何も言っていないも同然の
思考停止でも使える構文なのにも関わらず
パっと見「なんか思考した感」が出て、
「こんなに本質に気づけちゃう私かっこいーー」という自己陶酔にひたることができるのです。
しかし、実際には思考しなくてもなにを当てはめてもだいたいそれっぽくなる構文であるということ、
あと気づかないうちにその人の願望を言ってるだけの場合がほとんどである。
このブログを読んだことでそのことを理解できて
今後は冷静な目線でこの構文を見れるようになると思います。
そして、こういう浅い考えで
「私、真実にたどり着いちゃった…！！」と終わらせるのではなくて
ちゃんともっと物事と向き合って深く考えていくことが大事だと自分は思います。
結構
「Twitterでこの構文でバズってるの見るたび、それ違うだろって思ってた」
みたいな話聞いたりするので
今回もせっかく書いたので何か感想あればインスタのDMとかでぜひ教えてもらえると嬉しいです。
それでは！
